2026/05/01 16:25

 

(写真:ラ・フランスの花)
 山形県の内陸部に位置する天童市は冬の間雪が積もる地域です。今年の冬は3月には雪がなくなり、剪定作業がはかどる一方、冬の厳しい寒さを乗り越え、春の訪れとともに果樹園内に広がるサクランボやラ・フランスなどの花々の開花が例年よりも10日ほど早くなり、作業が前倒しになって忙しい毎日を送っています。近年の気候は年々温暖化が深刻になっているように感じます。

 サクランボの花は、桜にも似た白い花びらを持ち短い期間で一気に咲き誇ります。一方でラ・フランスの花は、白く落ち着いた佇まいが特徴です。同じ春の花でありながら、その表情は対照的であり、訪れる人々に新鮮な驚きを与えてくれます。

 サクランボの開花は、果樹園にとって特別な意味を持ちます。花が咲くということは、実を結ぶための準備が整った証でもあります。しかし、その美しさの裏側には、自然との繊細な駆け引きが存在します。

 また、サクランボは自家受粉しにくい品種が多いため、異なる品種同士の受粉が必要になります。そのため園内では複数の品種をバランスよく配置しています。今年はミツバチの力も借りて、一生懸命に花から花へと飛び回るかわいいミツバチを応援しつつ、たくさんの実がなりますようにと思いを込めて毛ばたきを使った人工授粉も行いました。このような見えない努力が、初夏に実る鮮やかな赤い果実へとつながっていくのです。

 サクランボとラ・フランスの開花は、山川果樹園にとって一年の始まりです。それぞれ異なる個性を持つ果樹たちが、春の訪れとともに一斉に命を輝かせる様子は、心を打たれます。